いよいよ、中学生のゆうちゃんとの勉強会もif文に突入しました。if文は状況によって命令の内容を変化させる命令文です。例えば、2つのデータを比較して、どちらが大きいかによって、その後の命令を変化させます。命令文の形はシンプルなので、「習うより慣れよ」です。例文をいくつか読めば、使い方がわかってくると思います。
ゆうちゃんとのPython勉強会は継続していますが、中間や期末テストがあったりして、あっというまに時間が過ぎていきます。友達と遊ぶのにも忙しいようだし、覚えるのも早いけれど、忘れるのも早いのが中学生です。一進一退ではありますが、継続することが1番です。早く、プログラミングが面白いと思えるところまで、引き上げてあげたいと思います。やっぱり、if文、for文、配列までは進まないと、面白いことを見つけるのが大変ですね~。
0.ゆうちゃんとPythonシリーズ
この記事は「ゆうちゃんとPythonシリーズ」の記事です。一連の記事は、以下のリンク集を参照してください。
なお、それぞれの記事は、シリーズの中でそれまでに習った文法を使ってサンプルコードを考えています。実際には、もっと、効率のよい書き方があるかもしれませんが、ご了承ください。
1.if文の概要
コード01は、3行目で2をxで割っていますが、x = 0なので、2 ÷ 0は計算できず、オーバーフローを起こしてエラーになります。このように、数行のプログラムならエラーになるのはすぐにわかりますが、複雑なプログラムでは、想定外のことで分母がゼロになり、システムがシャットダウンすることも考えられます。
#コード01
x = 0
print('2 / x =', 2 / x)
そんな場合には、コード02のようなif文を入れるのも解決法の1つです。このプログラムでは、3行目のif文により、もし(if)、xがゼロ(x == 0)ならば、4~5行目の命令を実行します。ここで、if文の影響範囲である4~5行目は、文の始まりが他の行よりも下がっていることに注意してください。xがゼロの時だけ実行されるのは4~5行目であり、6行目はif文の影響範囲ではありません。つまり、6行目はxの値がゼロであっても、なくても実行されます。なお、文の始まりを他の行よりもさげることを字下げ(インデント)と言います。
つまり、コード02は、xがゼロのとき、そのことを4行目のprint文で出力し、プログラム利用者に想定外のことが生じたことを知らせます。そのうえで、5行目でゼロを0.000001に置き換えることで、ゼロで割ることを防ぎ、計算を続行することができます。
#コード02
x = 0
if x == 0:
print('x = 0なので、x=0.000001にしました。')
x = 0.000001
print('2 / x =', 2 / x)
#出力02
x = 0なので、x=0.000001にしました。
2 / x = 2000000.0
if文は、以下のような書式になっており、「条件式」が正しいときにだけ、その後のコードを実行します。そして、「条件式が正しいときに実行する命令文」の範囲は、行の始めに半角スペースを挿入し、字下げ(インデント)します。
if 条件式:
条件式が正しいときに実行する命令文(複数行でも可)
if文を記述するときの注意点は以下のとおりです。
(a) 条件式のあとにコロン(:)をつける。
(b) 条件文が正しい時に実行する範囲は字下げ(インデント)しますが、字下げ幅(インデント幅)がバラバラではダメです。インデント幅をそろえなければなりません。ただし、後述しますが、コード04のように、if文の中にif文があるといった場合には、インデント幅が更に下がる部分があっても問題ありません。
(c) インデントには半角スペースとタブを使うことができますが、全角スペースを使うことはできません。
(d) インデントには半角スペースを4つ使うことが推奨されており、タブの使用は推奨されていません。
2.比較演算子
コード02の4行目では、「if x == 0:」となっています。「x == 0」の部分が条件式ですが、「x = 0」ではなく、「x == 0」となっています。これは、間違えて2回イコールを記述したのではありません。この「==」は、左辺の「x」と右辺の「0」を比較する演算子なので、「比較演算子」と言います。
ゆうちゃんも、ついつい、「if x = 0:」としてしまい、苦労しています。エラーに格闘しているときに「いつものやつ、いつものやつ」と言うと気が付き、「わかってたもんね~」と負け惜しみを言いながら修正します。文末の「:」と「==」は、慣れるまで大変です。
(1) trueとfalse
#コード03の2行目の「x = 0」は、右側の0を左側のxに代入する「代入演算子」ですが、3~4行目の「==」は比較演算子です。比較演算子で比較されている式は、正しいときには「True」(トゥルー)、誤りの場合は「False」(フォールス)を返します。したがって、コード03の出力は出力03になります。「x == 0」という「式」をprint()で出力すると、Trueという「値」が出力されるのがおもしろいですね。
#コード03
x = 0
print(x == 0)
print(x == 1)
#出力03
True
False
つまり、if文は「条件式がtrueの場合には、if文直後のインデントされた範囲を実行し、falseならば、実行しない」という命令文なのです。
(2) 比較演算子の種類
2つの値の比較を行い、真偽値(True, False)を返す演算子を比較演算子といいます。比較演算子は、下表の他にもいくつかありますが、まずは以下の6種類で十分です。
a == b | aとbが等しい |
a != b | aとbが異なる |
a < b | aがbよりも小さい |
a > b | aがbよりも大きい |
a <= b | aがb以下である |
a >= b | aがb以上である |
比較演算子を使う場合の注意点は以下のとおりです。
(a) 「==」は「=」と間違えないようにしましょう。
(b) 「!=」「<=」「>=」が正解です。「=!」「=<」「=>」のように「=」を左にするとエラーになります。※Python♪の神様式暗記法として、「=」を箸(はし)にみたて、「箸は右手で持つ」と覚えましょう。
(c) 数学の知識ですが、上表の「bよりも小さい」「bよりも大きい」はbが入りません。一方、「b以下」「b以上」はbが入ります。
3.論理演算子
「xが3よりも大きい」という条件式は、「3 < x」とすればよいですが、「xが3よりも大きく、かつ、6以下」という条件式はどの様にすればよいのでしょうか。
(1) if文の中にif文を記述する方法
2つ以上の条件を組み合わせる方法として、if文の中にif文を記述する方法があります。まず、具体例を見た方が分かりやすいと思いますのでコード04を見てください。コード04は、3行目のif文において「1 < x」の場合に4行目を実行します。更に4行目のif文により、「x < 4」のときに5行目を実行します。つまり、「1 < x」かつ「x < 4」の場合に5行目を実行することができます。
なお、3行目のif文の影響範囲は、3行目よりもインデント幅が大きい4~5行目です。また、4行目のif文の影響範囲は、4行目よりもインデント幅が大きい5行目です。
このように、if文の中にif文があるようなコードは、内側のif文「if x < 4:」の影響範囲も示す必要がありますので、その部分はさらにインデント幅を大きくする必要があり、4行目と5行目はインデント幅がそろいません。
#コード04
x = 3
if 1 < x:
if x < 4:
print('1 < x < 4')
#出力04
1 < x < 4
(2) 論理演算子を用いる方法
2つ以上の条件を組み合わせるもう1つの方法として、論理演算子を用いる方法があります。コード05では、2つの条件式「3 < x 」と「x <= 6」を「and」でつなげ、「3 < x and x <= 6」と記述しています。「and」は日本語では「かつ」です。つまり、「3< x and x <= 6」は、日本語なら「3< x かつ x <= 6」となります。
なお、比較演算子「<」「>」は、論理演算子「and」よりも優先順位が高く、先に計算されるため、「(3 < x) and (x <= 6)」のようにカッコをつける必要はありません。
#コード05
x=3
if 1 < x and x < 4:
print('1 < x < 4')
#出力05
1 < x < 4
更に条件式を増やし、「1 < x かつ x < 4 かつ x != 2」とする場合には、コード06やコード07のようになります。
#コード06
x = 3
if 1 < x:
if x < 4:
if x != 2:
print('1 < x < 4, x != 2')
#コード07
x = 3
if 1 < x and x < 4 and x != 2:
print('1 < x < 4, x != 2')
(a) and, or, notのベン図
さて、覚える必要がある論理演算子はnot, and, orの3つです。ベン図にすると以下のようになります。
「条件A and 条件B」は論理積と呼ばれ、下図の左側のように、条件A、条件Bの両方の条件を満たす黄色の部分がTrueとなります。同様に「条件A or 条件B」は「条件A または 条件B」の意味であり、条件Aと条件Bのどちらか一方でも満たせばTrueになります。「not 条件A」は「条件Aではない」ときにTrueとなります。ベン図は高1で習う内容ですが、イメージしやすい(?)ので、先取りしちゃいましょう。
(b) 論理積 and
「A and B and C」→ 「A かつ B かつ C」
A, B, Cがすべて正しい(True)の場合はTrue。1つでも誤りがあるとFalse。
AやBやCは、条件式ですので、実際に使うときには「x != 2 and 0 < x and x < 4」のような使い方をします。そして、x=3のとき「0 < x and x < 4 and x != 2」はTrueになります。
(c) 論理和 or
「A or B or C → A または B または C」
A, B, Cの内、1つでも正解(True)がある場合はTrue。全て誤りの場合はFalse。
(d) 否定 not
「not A」→「AがTrue」なら「AがTrueではない」つまり「False」になります。また、「AがFalse」なら、 「AがFalseではない」つまり、「True」になります。
notは、TrueとFalseを逆にします。例えば、「x = 1」のときに 「not x == 1」は「Trueの反対」で「 False 」になります。
(3) 論理演算子の優先順位
2つ以上の論理演算子を使う場合の優先順位はnot→and→orとなります。
※Python♪の神様式暗記法として、頭文字をとって「Naoちゃん」と覚えましょう。
つまり、例えば「A or B and C」や「not A and B」のような場合に、どのような順番で計算するのか注意する必要があります。正しい計算順序と、誤った計算順序を以下に示します。
A or B and C →正しい順序: A or (B and C)、 誤った順序: (A or B) and C
not A and B →正しい順序: (not A) and B、 誤った順序: not (A and B)
論理演算を行う場合は、文法的にはつける必要がなくても、カッコをつけた方が分かりやすいことが多いと思います。状況に応じて、読みやすいコードの記述に心がけましょう。
4.まとめ
「if else」については、次の記事で説明したいと思いますので、ここまでの内容をまとめたいと思います。
(1) if文の書式
if文の書式は以下の通りです。条件式がTrueの場合に、if文の後の字下げされた部分を実行します。条件式がFalseの場合には、if文の後の字下げされた部分は実行されません。
if 条件式:
条件式が正しいときに実行する命令文(複数行でも可)
(a) 条件式のあとにコロン(:)をつける。
(b) 条件文が正しい時に実行する範囲は字下げ(インデント)しますが、字下げ幅(インデント幅)がバラバラではダメです。インデント幅をそろえなければなりません。 ただし、コード04のように、if文の中にif文があるといった場合には、インデント幅が更に下がる部分があっても問題ありません。
(c) インデントには半角スペースとタブを使うことができますが、全角スペースを使うことはできません。
(d) インデントには半角スペースを4つ使うことが推奨されており、タブの使用は推奨されていません。
(2) 比較演算子
2つの値の比較を行い、真偽値(True, False)を返す演算子を比較演算子といいます。比較演算子は、下表の他にもいくつかありますが、まずは以下の6種類で十分です。
a == b | aとbが等しい |
a != b | aとbが異なる |
a < b | aがbよりも小さい |
a > b | aがbよりも大きい |
a <= b | aがb以下である |
a >= b | aがb以上である |
(a) 「==」は「=」と間違えないようにしましょう。
(b) 「!=」「<=」「>=」が正解です。「=!」「=<」「=>」のように「=」を左にするとエラーになります。※Python♪の神様式暗記法として、「=」を箸(はし)にみたて、「箸は右手で持つ」と覚えましょう。
(c) 上の表の「bよりも小さい」「bよりも大きい」はbが入りません。一方、「b以下」「b以上」はbが入ります。
(3) 論理演算子
複数の条件式を組み合わせて、より複雑な条件式を記述するには論理演算子を使います。覚える論理演算子はnot, and, orの3つです。ベン図にすると以下のようになります。
2つ以上の論理演算子を使う場合の優先順位はnot→and→orとなります。※Python♪の神様式暗記法として、頭文字をとって「Naoちゃん」と覚えましょう。
また、比較演算子は論理演算子よりも計算の優先順位が高くなります。
5.例題
以下のようなプログラムを組んでみましょう。
(1) 例題1 点数の評価
ランダムに0~100の整数を発生させ、その点数を出力する。次に、その点数が50点よりも小さい場合にだけ、点数が0点以上、50点未満であることを示し、悪い点であったことを出力する。出力の書式は、出力例1、出力例2を参照すること。
出力例1(点数が17点だった場合)
点数: 17
0 ≦ 点数 < 50
悪い点でした。
出力例2(点数が50点だった場合)
点数: 50
解答を表示する
3行目のrandint(0, 100)は、0~100までの整数の乱数を発生させる関数です。4行目は点数にかかわらず、出力されますが、6~7行目は、点数が50より低いときにだけ出力されます。
#コード08
import random
ten = random.randint(0, 100)
print('点数:', ten)
if ten < 50:
print('0 ≦ 点数 < 50')
print('悪い点でした。')
(2) 例題2 モンスターガチャ
例題1が、あまりにもつまらないので、例題2では、モンスターガチャのプログラムを作ってみましょう。このプログラムに過度の期待をしてはいけませんが、「ゆうちゃん」いわく、「超クソゲーなのに、なぜか楽しいプログラム」だそうです。
さて、モンスターの能力値として「体力」「攻撃力」「スピード」があり、それぞれ、0~100の整数で表されるゲームがあるとします。
プログラムでは、それぞれの能力値をランダムに決め、まず、その能力を出力します。そして、次に3つの能力値の合計が50以下の場合は、「ちょっと、弱すぎますね・・・」と出力し、250以上の場合は、「超レア!リセマラ完了」と出力します。「超レア」がでるまで、ひたすらプログラムの実行を繰り返すというゲーム(?)です。
あなたのモンスターの能力です
体力: 68
攻撃力: 17
スピード: 39
あなたのモンスターの能力です
体力: 6
攻撃力: 18
スピード: 5
ちょっと、弱すぎますね・・・
あなたのモンスターの能力です
体力: 97
攻撃力: 57
スピード: 98
超レア!リセマラ完了
解答を表示する
プログラムのコードは以下の通りです。例題1の行数が少しだけ多くなっただけなので、難しくないのではないでしょうか。
#コード09
import random
tairyoku = random.randint(0, 100)
kougeki = random.randint(0, 100)
speed = random.randint(0, 100)
print('あなたのモンスターの能力です')
print('体力:',tairyoku)
print('攻撃力:', kougeki)
print('スピード:', speed)
if tairyoku + kougeki + speed >= 250:
print('超レア!リセマラ完了')
if tairyoku + kougeki + speed <= 50:
print('ちょっと、弱すぎますね・・・')
意外に「超レア」が出ないので、ガチャを引いている気分になれます。ひたすらモンスターの能力値を出力するだけのプログラムですが、5分ぐらいは楽しめました。ゆうちゃんも「クソゲー、クソゲー」と連呼しながらも、すごく楽しそうでした。例題1の「テストの点数」を「モンスターの能力値」にするだけで、わくわく感が変わるのが不思議です。
ちなみに、「超レア」が出る確率は、以下の通りです。計算内容の詳細説明は省略します。
能力値のすべてのパターンは、101 × 101 × 101 = 1030301通りであり、能力値の合計が250以上となる組み合わせは、53C3 =(53 × 52 × 51)/(3 × 2 × 1)= 23426通りです。つまり、「超レア」になる確率は、23426 ÷ 1030301 × 100 = 2.2737 %です。(計算あってるかな・・・。不安)
2.3 %なら、なかなか、「超レア」が出ないのも納得できます。
私が実際に購入した教材のご紹介
以下、私が実際に購入したPythonの教材をまとめてみました。 Pythonを学習する上で、少しでもお役に立つことができればうれしいです。
・Python♪私が購入したPythonの書籍のレビュー
・UdemyのPythonの動画講座を書籍を買う感覚で購入してみた
その他
液晶ペンタブレットを買いました
(1) モバイルディスプレイを買うつもりだったのに激安ペンタブレット購入
以下、私が光回線を導入した時の記事一覧です。
(1) 2020年「光回線は値段で選ぶ」では後悔する ←宅内工事の状況も説明しています。
(2) NURO光の開通までWiFiルーターを格安レンタルできる
(3) NURO光の屋外工事の状況をご紹介。その日に開通!
(4) 光回線開通!実測するとNURO光はやっぱり速かった
(5) ネット上のNURO光紹介特典は個人情報がもれないの?